繰り返す日々の中で
ささやかな福を重ねよう

三百年続く日本酒蔵が考える酒粕のこれから

福々折々とは

福々折々は、秋田県五城目町で三百年以上続く日本酒蔵「福禄寿酒造」が取り組む、酒粕にまつわるプロジェクトです。酒造りによって生まれる酒をハレ、酒粕をケと捉えなおし、ケ=日々の小さな福を酒粕から考えていくことを目指しています。

福々鳥 (ふくふくどり)|福々折々のシンボル。お酒を搾ったあとの季節に福が生まれたことを知らせてくれます。

酒粕とは

日本酒造りの過程で醪 (もろみ) を搾ったあとに残る固形物のことで、米・麹・酵母に由来する成分が凝縮されています。野菜を漬け物にしたり、焼いておやつとして食べたりと、昔から暮らしの中で余すところなく活かされてきました。

福々折々の考え

酒粕のイメージを転換する

 「酒粕に対するイメージを転換できないだろうか?」プロジェクトのはじまりはこの問いからでした。酒粕という言葉にはどうしても「カス=良いものを取り去った残り物」というイメージがついてまわります。酒粕はもともと人々の暮らしにおいて自然に取り入れられ、活かされてきました。しかし、近代化による生活環境の変化や食の多様化によって、家庭で使われる酒粕の量は減少していきました。現在はそもそも酒粕に馴染みがない人も多いのではないでしょうか。さらに言葉に付随するカス、残り物というイメージ。この見方を転換できないだろうかと考えました。

ハレの日のお酒、ケの日の酒粕

 酒粕は昔から生活の中で活かされてきました。料理の味を整えたり、食材を漬けることで保存期間を伸ばしたりといったささやかだけど必要な効能がその持ち味です。そう考えると、酒粕は日々の暮らしを下支えする存在ではないだろうか。そう気づいたとき、お酒がもともと祝祭日=ハレの日のためのものならば、酒粕はケの日のものであるといった視点が生まれました。大きな喜びをもたらすものというよりも、ささやかだけど確かな豊かさを添えてくれるような存在としての酒粕。これが福々折々の酒粕に対する見方です。

まちの暮らしに近いところで

 福々折々はこれから、酒粕が再び皆さんの生活に取り入れてもらえるように色々な提案をしていきます。その中で大切にしたいのはまちの暮らしの近くにあること。経済が発展し便利な世の中になった一方で、誰がどのような思いでつくっているかがわからない中で物が消費されるのはどこか寂しいと感じます。限りのある酒粕を目に見える範囲、想像の届く範囲で活かしていきたい。そのためにまちの皆さんと一緒にその使い方を考えていきたい。ぜひ福々折々の取り組みに参加いただけると嬉しいです。

福々折々のものごと

福折ランチ
酒粕販売
福折しんぶん

福々折々のお店

下タ町醸し室 HIKOBEは、福禄寿酒造の日本酒と風土を味わうことのできる交流拠点です。日本酒や酒粕等の購入に加えて、カフェでの飲食も可能です。酒粕をつかったメニューやお菓子もあり、福々折々の取り組みを複合的に感じていただける拠点です。

下タ町醸し室 HIKOBE→

福禄寿酒造↑

江戸・元禄元年 (1688年) 創業。秋田県五城目町で三百余年酒造りを続ける日本酒蔵。近年は「一白水成」の蔵元としても知られています。まちに根ざした酒蔵として、敷地内の地下より汲み上げた中硬水の仕込水と、五城目酒米研究会の農家さんが栽培する酒米を使い、酒を醸しています。

福々折々の蔵元

取材やコラボレーションに関するお問い合わせ先はこちら

  • 福禄寿酒造株式会社
  • 住所: 〒018-1706 秋田県南秋田郡五城目町字下タ町48
  • TEL: 018-852-4130
  • FAX: 018-852-4132
  • E-MAIL: info@fukurokuju.jp